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ブリティッシュな休日

05 05, 2010
「今から1時間後に到着するわ」
そして1時間後。
ウチのチワワが猛然と咆え始め、轟音と共に車高の低い車がやってきた。

ヴォン、ヴォン、ヴォロロロロロロ・・・・

Lotus Europe

  LOTUS EUROPE  1972   ロータス・ヨーロッパ '72年式   フルレストア



R氏が二十歳前後で手に入れたロータス・ヨーロッパ。
最初何年か乗った後、彼の実家のガレージにかなりの間眠っていた。
が、21世紀になってから、オール・グラスファイバーの外装も、アンティークなブリティッシュ・ライト・スポーツカー的内装も、徹底的なレストアを行い蘇った。

LOTUS


私は、さりげない身のこなしで、路面にへばりつくような低い助手席に乗り込んだ。

  「じゃあ行こうか」  「ああ」

  ヴァオン、ヴァオン、バンヴォオオオ~~~ォォォォォオオオオオ!

弓削(ゆげ)高校の坂を上って、塩之内(しょうのうち)という所にでる。ヴォン、ヴォン。
そこには津山から建部町方面に向かう、広域農道という心地よいワインディング・ロードがあるわけで・・・・。
右折し建部方面に南下する。

ロータスヨーロッパ

R氏は、5千回転までひっぱる。
カーブの入口で必要十分な減速をし、時にはギアを落としカーブを抜けてゆく。

   ヴォン、ヴォンッ、パンパンッ、ヴォロォォオオ~~~~ン!

軽くておもしろいクルマを整備し、休日に田舎のワインディングロードに持ち込み、走る。
いくつものコーナーを駆け抜ける。これぞイギリスの紳士のお遊び。
背中の後ろのエンジンの轟音の中、大声で語り合う。

  「しかしイングリッシュ・ジェントルマンというのも面倒なものが好きだな!」
  「そうじゃ!ラグビーにしてもF1にしても、いかにも面倒くさい感じじゃな!」
  「集まって葉巻を嗜むのも面倒そうだしな!」
  「しかもそれがちっとも社会貢献をしてないし、環境にも悪いことばっかしてるしな!」
  「ハハハハ!それがイギリスの男なんじゃ!」

ワインディング

アルファ・ロメオに乗りたいという気分が良く分る。
80キロくらいで飛ばせるこの中速コーナーの連続する道路は、僕のソアラなんかで走ってもおもしろくない。
排気量もトルクも大きければ、アクセルを開けないわけで、エンジンが咆哮しない。
すなわち排気量の小さなイタリア製のエンジンであれば、いつもエンジンを回さざるをえないわけで、
「ファオオオーーーーン」というイタリアン・サウンドを鳴らしながら、こういうワインディングを楽しめるわけだ。

あっという間に建部町に出て、スーパーマーケットでビールとソーセージとチキンカツを購入。
次に、たけべの森から北房方面に向かう広域農道を北上する。

道は空いている、たまに前方を行くクルマに追いつき、R氏は躊躇なく追い越してゆく。

  「わしはあらゆる状況を察知して運転しとる!路面、先行車、スピード、カーブのR!」
  「そうか!」
  「追い越すクルマがどういう動きをするか、次のコーナーまでに抜けるかを瞬時に判断しとる!」
  「そうか!そりゃ良かった!」

ブォォォオオオオオオーーーーーーーーンッ!!!

広域農道
ワインディング
ワインディング

我々は、石でできた風車のある場所に向かっていた。
先行するスローなクルマを何台かパスし、また長い上り坂で軽トラに追いついた。
R氏は、次のコーナーまで十分な直線があると判断し、右にハンドルを切ると同時にアクセルを全開。

          ヴァォ、、 プチン!!

明らかに何かが切れた音がして、エンジン音はアイドリング状態になり失速。

  「・・・・やったな。やってしもうた」

見事にアクセルワイヤーが切れた。そんなの聞いたことがない。
R氏は路肩にロータスを停め、エンジンルームを覗き込む。これぞ英国の男児
イギリスのジェントルマンには困難な障害が必要だ。クルマが壊れることが必要なのだ。
逆に言えば、壊れやすいクルマに乗ることがイングリッシュ・ジェントルマンの証。

エンジンルーム



我々は藪の中にレジャーシートを敷き、ソーセージをつまみにビールを飲んでいる。
アイドリングを上げ、クラッチミートしたが坂を上れる状態ではない。
要するにアクセルを吹かすことができないわけだからな。
R氏は父親のロバート氏に電話。「山の中で停まったから来てくれ」

このGWの雲ひとつない晴天続きの陽光を避けるため、藪の中で彼の父親を待つことにした。
これぞイギリス風の休暇の過ごし方ではないだろうか。

藪



「もうそろそろ来るかな?」とR氏が言うと、本当に来た。
ローワーアームにベルトをかけ、2トントラックで牽引。
・・・・すぐ壊れるクルマ、・・・・いつどこで壊れるかも知れないクルマ。
やはり男のクルマとはこうでなければならないのだ。

牽引
牽引



ロータス・ヨーロッパは無事彼の実家のガレージに運ばれ、ダイニングルームでいなり寿司やら黒豆を食べていると、父親のロバート氏が農機具用のワイヤーを持ってきた。

  「これ、いけるかも知れんなー」

ワイヤーの転用だ。
修理が始まった。R氏が真っ赤な作業用ツナギを着用し、ロータスの下にもぐりこむ。
少し様子を見ていたが時間がかかりそうなので、僕とロバート氏はアルミ製のテーブルと椅子を塗装することにする。ブラックのペンキを噴射すると、塗装が剥げてみすぼらしかったテーブルが蘇った。

テーブル
ロバート氏の工房

ロバート氏の工房 ↑ 
やはりイングリッシュ・スピリットを持った男は、こういった何をするかわからない作業場を持っている。
まるでバックトゥーザフューチャーのドクの作業場。



アクセルワイヤー交換作業も佳境に入っていた。

作業

ロバート氏が、良く分らないけど部品に穴をあけ、それにワイヤーを通したようだ。
ワイヤーが繋がったが、その後も調整作業が続く。

R氏はいまだに日英同盟をしっかり守ってれば良かったという。
世界中を見渡して、右ハンドル・左側通行の島国という共通点のある、イギリスと日本。
どうして日本が右ハンドルを採用したのかわからないが、もっと言うとそれ以前にどうしてイギリスが右ハンドルになったのかわからないが、彼は日英のその共通点がうれしいのだ、と言う。

作業終了

5時間を超える作業が終了した。
アクセルをふかすと、見事にエンジンが吹け上がった。

   ヴァン、ヴァン、ヴァン、ヴァン、ヴァロロロ、
     パンッ、パンッ、ヴォロロロロロ、、ヴァオオ~~~ン!!


試走にでかけた。
ロータスのエンジンは背中で嬉しそうな咆哮を上げ、タイヤは路面を蹴り、
コーナリングラインをトレースしてゆく。
ブリティッシュな生活というのは苦労もあるが楽しみもある。
じんわりと心地よい楽しみが。


あせらない。怒らない。
常に現実と向き合う。常に夢を追い求める。






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